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2018年 短歌や詩歌

Category和歌や詩歌


いみじくも

微か揺れ浮く

ひとすじの

玉光るるを

誰ぞ知らんや

by仁壽



漆海に

灯る玉火の

みちわたり

彼の名を誰に

豈に知らしむや

by仁壽




天と地を

分かつものなき

漆黒に

揺らめく彼方

不知火のごとし


by仁壽





黄金日の

煌めき冴ゆる

綿雪野

彼の轍追う

静けき足音


by仁壽



『Cruinne』

羽衣のよに心地よく
羽のように軽やかなる
宇宙(そら)の浩然たるや
人の心は空のよう

花びら一枚舞い上がる
あの空彼方 届くよに
既に深く青い宇宙(そら)
眺め見得るは心のみ



君と私を分かつもの
見えるものも姿なく
形あるもの囲いなく
心と心を同じくし
時と時を共にする

嗚呼 我が心の郷となり
いまこの地からあの宇宙(そら)へ
手に手を携え羽ばたかん


by仁壽





ことのはを

あたうべきもの

われになく

あわくかおるる

くちなしのはな

by仁壽



くちなしの

かおる花びら

てにとりて

われつつしむも

きみにあたえし

by仁壽



しとやかに

わがくちなしの

花かおる

おもいしたため

そでにふくめつ

by仁壽



玉響
きのふの夕
見しものを
今日の朝に
恋ふべきものか

by柿本朝臣人麻呂


たまかざる

夕へにまみえし

後ろ影

追ひたひ心を

鎮めざらむや

by仁壽
(柿本朝臣人麻呂への返歌)



柿本朝臣人麻呂(元歌)

昨日会ったばかりだというのに、今日の朝にはもうすぐにでも会いたくて、会いに行くべきだろうか……

仁壽(返歌)

あなたにお会いした夕べは瞬く間にすぎて、立ち去る後ろ姿を引き止めたい気持ちをぐっと堪えることができましょうか…(いえ、できません)


たまゆらの

わが麗しの

姿こそ

君おぼゆれば

心叶はん

by仁壽

若く生き生きとしたひと時の美しい私の姿を貴方さえ知ってくれれば、もう(願いは叶ったので)何も望むことはないのですよ(意訳)



可憐なる

青き衣の

花娘
 
髪ゆるやかに

香り放てり

by仁壽




春かほる

花乙女舞う

宴にて

青き輪舞の

音に酔い咲きぬ

by仁壽




『ティンガーラ〜君に歌う』

時の浮き世と
我わすれつつ
宵や酔いやと
踊り子が舞う
彼方の漆黒に
密する星々
あれはティンガーラ

天を仰ぎて
両手をかざし
闇に煌めく
彼の流星を見た
愛しいティンガーラ
永遠不変なりて
大空に在る君

私の声を
流星に乗せて
ティンガーラに歌い
この宇宙(そら)果てまで
届かしめん
嗚呼、私の声を
流星に乗せて…

by仁壽




『誓い〜君よ目覚めよ』(前編)

鋼鉄の高殿
業火さかるる
摩天楼に向け
丘陵に立ち
水晶の矢を射つ
紺青(べれんす)の空に
一筋の屑が
円弧を描いた

今こそ時ぞ
天女が囁く
駿馬の手綱を
力締め引く
紫黒に染まる
桔梗の丘原
獣のごとく
我駆け下る

冷氷のコロナに
包まれし要塞
核なる心臓へ
弧は轟き刺す
君よ目覚めよ
終焉にかわりて
清廉無垢なる
誓いを点さん



『誓い〜共にある未来』(後編)


清浄なる灯を得たわたし
凍てついた手に
沈み根付いた足に
紅いの熱が走りゆく
見開く瞳に
貴方の姿が
透いた水晶のごとく
煌めき映りこむ

永き眠りから目覚めたわたし
ビロードの床に
深く埋まる体を
ゆるりと空(くう)に舞い起こした
貴方の唇に
湧き出でる泉が
蒼き宇宙(そら)のごとく
艶に透き通る

勇者の手に導かるるわたし
生きた素足で
放熱のこの体で
氷の砦を歩み去る
貴方の魂に
彩られた命
あわき霧となりて
われを包み込む

漆黒の駿馬と走るわたし
ざわめく業火を
うごめく夜叉のなかを
逆らい駆け抜けゆく
初めて見る未来
清き誓いと共に
貴方と在りゆこう




新緑の

芽吹く朝露

輝きて

木陰に重なる

麗しの影

by仁寿



言の葉よ

こころを彩る

綴りなら

桔梗の花を

隠し添えなむ

by仁寿


夏空の

煌めく点に

添うこころ

求めやまぬは

我が身の勝手

夏の空に点在する煌めく星を数えるように、私のこころに添うような気持ちを求めてしまうのは、私の我が儘でしかない。

by仁寿



橘の

白さかおるる

お姿に

刺さる痛みも

ゆるしたたえり

by仁壽



風そよぐ

浜辺をすべゆ

やわらかき

わが髪ともに

思い去り行く

by仁壽



濃紺の

彼方の海に

見ゆる星

空へと繋ぐ

道標なり

by仁壽






華麗なる

花姿にぞ

惹かれしむ

白き衣の

香るジャスミン

by仁壽



ジャスミンの

香り散りゆく

わびしさに

残る青さを

思いはかれり

by仁壽






タイトル
『夢がたり』

これはひとつの
たとえ話 
君が魚なら
どの海を泳ぐ?

これはひとつの
小さな話
君が蝶なら
どの蜜を食べる?

これはひとつの
夢の話
君が鳥なら
どの空を飛ぶ?


これはひとつの
心の話
君が魚なら
僕は海になる

これはひとつの
愛の話
君が蝶なら
僕は花になる

これはひとつの
今の話
君が鳥なら
僕も羽ばたく

by仁壽



きら星の

囁く宵に

来し便り

思いの違いを

今ぞ分かりし

by仁壽
(意訳)
数多に輝く星ぼしが静かに輝く夜に、貴方がしたためた便りを読んで、私の思い違いに気づいてしまいました。



宵に咲く

言の葉綴りの

花開き

まことと見え

思い踊れり

by仁壽
(意訳)
夜に読んだ言葉が、まるで花開くように私の誤解を解いてくれたので、本当のことを知ることができ心が弾む思いです。





果てしなき

群青に在る

天の原

綺羅星ひとつ

手に取りなむ

by仁壽




濃紺に

瞬きわたる

綺羅星ぞ

光のしずく

ふりそそぎけり

by仁壽


静けさや

点に瞬く

天の原

涙のとばりに

たゆたう綺麗星

by仁壽
(意訳)
静かで穏やかな夜に点々と輝く天の川を見ていると、涙がこぼれて、その星ぼしがゆらゆらと揺れ輝いてみえる



遥か空

点に瞬く

綺麗星に

すがた隠すも

すぐに分かれり

by仁壽
(意訳)
遥か夜空に点在する星ぼしのように、あまたの優才なる方々のなかに貴方が隠れていても私は直ぐに貴方を見つけれましたよ。



『春よこい恋』

梅はたわわに
春うらら
ももの花咲き
桜に告ぐ
春の花びら
舞うこころ
百花繚乱
咲き乱れ 
盛りを過ぎれば
柚子景色

byJinju




タイトル
『夢幻』

深い眠りから誘われた世界
珠のように滴が舞う
清らかな泉に貴女がいた
指先につたう水の調べ
首筋から胸元へ
したたる曲線と戯れる
貴女に触れたい
むかし賢者がいった
ミューズの唇には至上の富
ミューズの肌には永久の命
それを得ようと泉に入ると
全ての男は狂いだす
無限の果てまで
夢幻に果てるまで


魅惑の香りに包まれた世界
自我を忘れて踏み入れる
異質を察した貴女を見た
ナーイアスの侍女たちが
衣をまとう時もなく
ミューズのほうへ水面を掻く
貴女に触れたい
むかし賢者がいった
ミューズの唇には至上の富
ミューズの肌には永久の命
それを得ようと泉に入ると
全ての男は狂いだす
無限の果てまで
夢幻に果てるまで


甘美な幻想に彩られた世界
泉に佇む貴女の手が
飛沫に濡れた男の頬を
そっと優しく淑やかに
触れる肌はシルクのよう
瞳に映る銀河を閉じて
貴女を抱きたい
むかし賢者がいった
ミューズの唇には至上の富
ミューズの肌には永久の命
それを得ようと泉に入ると
全ての男は狂いだす
無限の果てまで
夢幻に果てるまで




たゆまなく
ひびく音ひろう
指先の
たくみにうごく
姿ぞ凛々しき

by仁壽



まほろばの
広野に住むとす
鷹の目に
写る景色は
遠くも近しや

by仁壽






タイトル
『Shangri-La』

だれもが夢にみる
彼方のまほろばに
貴方はいて
白色の砦が
夜の闇に沈むとき
月夜に渡る幾線の調べ
紺碧の玉座に
深く座りて
翡翠の琴に指を弾ます
太陽の円盤が刻々と
その影にて時を示し
定刻を告げる


黄金の琴の音が
世界をわたり響く
かの蒼き深海の間に
貴方はいて
清らかな新緑と
果実の雫に舌をうつ
赤き青き白きを愛でる
その御手に
再生する命の
歓びあらんと祈りを捧げる
腐ることなく在るかぎり
栄光と闇を知る者に
永久の光を照らしたまえ






『夢飛行』

はるか地平線にそびえたつ
オリュンポスの山脈に憧れて
いかなる思考も未来も
かなぐり捨てた夢飛行
世界じゅうの轟音の嵐が
耳に鳴り響こうとも
衝動は冷めやまず
清らかな狂気に支配され
誰も傷つけやしないと
ロザリオを手に神に誓う
青年よ
その意志よ
純心とともに
大空に在れ


反転する世界に目が眩み
愚かな歓喜とともに舞う
夕空にただ独り居て
機械を操る夢飛行
無我のこころが鉄塔に立ち
鐘を鳴らし鳴らし鳴らし
地上を蒼白に染めた
清らかな欲望に支配され
皆を悲しませてしまうと
ロザリオを手に枷を負う
青年よ
その意志よ
純心とともに
大空に在れ




タイトル
『仙人の娘』

ほのかに紅さす白き頬
桃色の唇に香るユートピア
花のように散り乱れる髪
肌の水脈をたどれば桃源郷
産声あげたその日から
定められた運命を祝うのは誰?
仙人の果実
美しき桃たち
か弱く舞い狂う
ちから尽きるまで
魅惑の実の虜とし
己の香りを呪う娘


高貴な香りが漂う波間
細い曲線をくねらすユートピア
したたる雫も芳醇な媚薬
貫く恍惚の痛みは桃源郷
産声あげたその日から
定められた運命を祝うのは誰?
仙人の果実
美しき桃たち
はかなく乱れ落ち
命果てるまで
甘美の実の虜とし
己の香りを呪う娘






タイトル
『現象の花嫁』

まどろみの夜に花咲く
淡いいたずら
震える指で描いた
罪の呪文
そっと息を吹き掛け
夜空に放つ
枯れて朽ちても
言の葉は生きる
空事の願いを
紙飛行機に載せて

会いたくても
触れたくても
開かずの窓辺
叩くよ
叫びながら
現象となる日まで


夢心地の朝に香り立つ
儚い空想
懺悔を唱える
罪の呪文
そっとひざまずき
朝焼けに誓う
再生と転生のとき
再び出会い
過去の祈りが
清廉の実を結ぶ日を

会いたくても
触れたくても
叶わずの扉
叩くよ
心をこめて
現象となる日まで

望んでいても
願っていても
開くことのない窓辺
叩くよ
泣きながら
現象となるその日まで

想っていても
祈っていても
叶うことのない扉
叩くよ
真心を貴方に
現象となるその日まで




タイトル
『四季Σ列伝』

東に昇る太陽の
射光に照らされた
再起の扉
幾千もの春がきて
目覚める青い命
太古の遺伝子から
受け継がれた血
群青に芽吹く草木の海

南に渡る広野に
夕凪の時が刻む
転回の扉
幾千もの夏がきて
ざわめく赤い陽炎
太古の遺伝子から
受け継がれた血
赤々と蠢く細胞の証

西に佇む山岳に
彷徨う影を追う
邂逅の扉
幾千もの秋がきて
揺らめく白い旗の波
太古の遺伝子から
受け継がれた血
潔白を誓う終末の絆

北に染まる夕闇に
ティンガーラが流れる
帰還の扉
幾千もの冬がきて
全てを包む黒のベール
太古の遺伝子から
受け継がれた血
暗黒に浮かぶ純然の星

真の心に射す光に
黄金の魂が輝く
天命の扉
幾千もの季節廻り
森羅万象に生きるもの
太古の遺伝子から
受け継がれた血
宝珠の樹に咲く花のごとし